「実は俺最初、笹原さんと思わなくて。 こんなことしそうな奴にちょっと心当たりあってさ。 あ、もちろん故意に掛けてくる奴ね。 だから不機嫌だったってのもあるんだけど」 絶対に恵の方が悪いのに、裕の方も最初の愛想の悪さを反省しているようだった。 実際、こうして喋ってみるとかなり優しい人だ。 「笹原さん、今から勉強すんの?」 「うん。あたし朝型だから」 「まだ夜だろ」