電話が掛かってくる、最後の日。
これで本当に最後だ。

……とは言っても、テスト最終日。
残った教科は一つで得意教科なので準備はすでに万端だ。

別に早起きする理由はない。 
それでも裕の声が聞きたくて、恵は二時半には起きることにした。


──アラームが鳴ったのは二時二十五分。

なんとなく、電話を待っていたい気分だった。


起き出して携帯とにらめっこ。

……あと、三分。

携帯を握りしめていた左手が震えた。