「笹原さんチャリ通?」

そのままの流れで一緒に階段を降りながら矢野が聞く。

顔だけでなく性格も人懐っこい。

「うん」

「じゃ、校舎出るまで一緒だ」

「バス?」

「ううん。電車」

そんなたわいもない話をしながら階段を降りた。

もちろん、もう落ちかけるようなことはない。

校舎を出たところで矢野とは別れ、一人駐輪場へ向かった。