「でも、笹原さんのおかげでちゃんと二時半までは起きとけるから助かる」
さらっと、一番気にしていたことを言ってくれたのは、恵を気遣ってか。
「それって、あたしのせいで遅くまで起きとかなきゃいけない、とかいうわけじゃなく?」
そんなこと聞いて、お前のせいだなんて言われるわけないのに聞いてしまう辺りが、不安になりすぎだ。
「何でそうなるんだよ。遅くまで起きとかないと勉強出来ねぇだろ」
「そっか。良かった」
「うん、じゃ俺もう寝るわ。笹原さんとあんま話してると目が冴えちゃうから」
それは恵の方も同じだ。
でも、今から寝るか起きるかでは大違いだ。

