「もしもしっ」
「あー、俺。起きてた?」
「二度寝するとこだった。ありがと」
裕の着信に気づいただけで一気に目が覚めた。
「危ねぇな。寝るなよ」
笑いながら言われるが、少し覇気がない。
「竹沢くん、眠い?」
もし恵に電話しなければいけないから起きていたのだとしたら、それはとても申し訳ない。
電話がきたことが嬉しすぎて、裕の方のことなんて考えていなかった自分が恥ずかしい。
「ん? まぁ眠いけど、勉強しないとマズいからね」
電話しなければいけないから起きていたわけじゃないのだろうか。
今まで楽しかったのが、一気に不安になる。

