ブルームーン



「ま、今日から頑張るから良いわ」

負け惜しみみたいなことを言って、苦笑している。

寝てしまったことは意外に悔しいらしい。


「そうだね。モーニングコール待ってる」

「待つなって。起きられなくても知らねぇぞ」

「竹沢くんなら起こしてくれるでしょ」

4時に寝たことを悔しがるくらいだから、多少は負けず嫌いなのだろう。

「さぁね」

意地悪そうに笑って、裕は自分の席の方へ行ってしまった。

気づけばもう教室の中だ。