ブルームーン



「おはよう竹沢くん」

「今日二回目だけど」


笑いながら言う感じはからかわれている。

散々からかわれっぱなしなので、(元はと言えば恵が悪いのだが)恵の方も拗ねてみた。

「あんなに謝ったのに……。竹沢くんって根に持つタイプなんだね」


荷物をかごから出して、一人で足早に歩いていると、後ろから走って追いかけてくる気配がした。


「拗ねんなよー。冗談だから」

顔をのぞき込まれて、不覚にもドキッとした。