ブルームーン



呼び出し音がかかると、心拍数は今までと比べものにならないくらいに跳ね上がった。

単調な機械音が3コールは続いただろうか。
急にプチッと止まった。


「……はい」

「た、竹沢くん。夜にごめんね。
あの、ちょっと、……話したくてっ!!」

歯切れが悪い恵にも、裕はいつもと変わらない声だ。

「笹原さんからって珍しくない??
どうかした??」


恵は震える声を必死に絞り出した。