ブルームーン



美味しそうなパンを見繕って会計を済ませると、先に会計を終わらせていた秋はレジを少しよけたところで待ってくれていた。


「夜道は危ないから送って帰るよ」


大人で紳士だ。
秋のイメージを次々に書き換える。


行きは一人で大丈夫だったし大した距離でもないので断っても良かったが、秋と話すのは楽しいくて、新しい発見も多くて面白かったのでお言葉に甘えてもう少し話すことにした。


月明かりに照らされて伸びる二つの影。

月を見上げると、満月だった。
確か、今日が満月のはずだ。