ブルームーン



小走りで近づいて、横顔を見て確信する。

「秋さん」

正面に回り込んだ恵に気づいて、秋も耳につけていたイヤホンを外した。

「恵ちゃん、久しぶり。
……一人?」

周りを確認して怪訝な顔をした。

「はい、一人です。
明日の朝ご飯ないからお使い頼まれちゃって」

恵があっけらかんとしているので拍子抜けしたようだが、危ないからダメだよ、と注意された。

見た目はあなたも結構怖い人の分類に入るでしょうけどね、とは言わない。というか言えない。