二人で帰る夜道。

前も二人だったが、今日は別々の自転車なので距離が遠い。

近づきすぎず、でも確実に会話ができる距離。

そんな距離がもどかしくて甘酸っぱかった。


「ごめんね、急に連れてってほったらかして」

「平気だったよ? むしろ楽しかった。みんなキャラ濃いし面白いしかっこいいし、青春っぽかった」


裕はそれなら良かったと顔をほころばせつつ、

「かっこいいって、どの辺が?」

と納得がいっていないようだった。