月が綺麗だった、ただそれだけのことだけど、そんな些細なことで電話してきてくれたことが嬉しい。 同じ時間にそんな小さな喜びを共有出来たことが嬉しい。 あたしに見せたいと思ってくれたことが嬉しい。 こうやって同じ月を見ていることが嬉しい。 からかったり拗ねたり、しょうもない雑談に付き合ってくれるのが嬉しい。 たぶん、いやきっと、 ──あたし竹沢くんが好きなんだ。