「あ、もしもし。 笹原さん今大丈夫だった?」 急いで相手も確認せずに出た電話の声は、久しぶりに聞く裕のものだった。 「大丈夫だけど、どうしたの?」 「ん、ちょっと外見てみ」 いたずらっ子のような声で言った裕の言う通りに、カーテンを開けた。 「わ、綺麗……」 ちょうど雲もなく、まん丸な月が顔を出していた。 「ねぇ笹原さん」 恵の感想もろくに聞かずに、裕が言う。