ブルームーン



「あ、そっか。無理かぁ」

矢野が残念そうにため息をついてすぐ、始業のチャイムが鳴った。

「じゃ、またね」

「うん」

小さく手を振って席に戻っていく。

最近、少なくとも一日に一回はこうして恵の席に来る。


慣れてない人が慣れてないことをされると、意志に関係なく少なからず意識する。


好きなわけではない……と思う。

しかしこのままこの状態が続いたら気持ちが変わる可能性は十分すぎるくらいある気もする。