「おはよ、笹原さん」 予習をしているふうに見せかけてノートに視線を落としていたのに、突然声をかけられた。 「え、あ……。 おはよう」 いつもと変わらない可愛らしい笑顔で恵の前に立つ矢野。 何で名指しで挨拶……。 「あ!! 予習してるっ。 俺今日絶対当たるんだった……。 良かったら見せて?」 苦笑したままの恵は放っておいて、矢野は屈託のない笑顔で顔の前で手を合わせる。