ネット勇者

-ボス部屋-(リルリル)
「ジン君…がんばろうね。」
一応大切な物はすべて預けているとはいえ風の精霊のジンとの別れはリルリルに撮って辛いものがあり、負けるとわかっていても、抵抗もなく負ける気はないらしい。

そうこうしている間にボスが現れた。大きさはだいたいプレイヤーの5倍で種類はスカル系モンスター、見た目は上半身が鬼神のようで下半身は魚の骨のよう。両手には剣が2本ずつ。
「負けてたまるかアアアアアアアアアアアアアア!!」
リルリルの中でタガが外れてしまったらしく、風の精霊のジンとサブ武器で使ったことのないロッドでボスに跳びかかる勢いで攻撃をはじめる。
-ボス部屋の前-(@モグ&イケ)
「なぁ、イケ勝率は?」
暫く黙ったままだったが耐え切れなくなり@モグから話しかける。
「分からんな。データが少なすぎる。リルリルのレベルと今までのダンジョン内のモンスターから考えれば0.005%ぐらいじゃないか?」
殆ど0ということだ。イケと@モグに再び沈黙が訪れる。
何時間かすればボス部屋のスイッチが踏めるようになる。コレはボスが倒されたかリルリルが負けたかのどちらかを意味する。イケと@モグは黙ったまま顔を見合わせてスイッチをふもうとした瞬間ボスベアのスイッチ付近にリルリルが転送された。2人はもう一度顔を見合わせてリルリルに急いで駆け寄る。
「イケしゃま…モグしゃん…。」
リルリルはつかれた笑みを見せては座り込む。そして安堵してイケに抱きつき大泣きしてしまう。
「よく、頑張ったな」
イケはなだめるように優しく頭をなでる。そして、その間にリルリルからの情報を取り出してしまえばリルリルに回復薬と預かった道具を渡す。@モグも道具を返し3人で見事ダンジョンから帰還した。
-ギルド街-
「今日は本当にご迷惑をおかけしましゅたm(_ _)m」
リルリルはギルド街に帰るなり@モグとイケに謝った。
「いや、今回は僕勝手な行動で2人に迷惑をかけたんだ。僕こそすまなかった。」
イケはリルリルの頭を撫でると普段は間違っても絶対誤ったりしないのだが今回は相当自分のせいだと思ったらしく頭を下げる。リルリルと@モグは驚いてから微笑んで「謝らなくていい」問いい3人が無事だったのが不幸中の幸いだと皆で笑いあった。

「友情ね~…くだらない。」
3人はこの不気味な声に気づかなかったのだ。