「あら、アリウム。遅かったわね」
側近たちが使う石部屋に戻ると、最年長のトールがいた。
アリウムはトールに軽く礼をして、自室に戻ろうとしたが、トールの持っている茶封筒を見て動きを止めた。
トールもそれを目敏く見抜き、アリウムに茶封筒を渡した。
「あんたのお兄さんから。毎度手紙を出してくれるなんていいお兄さんだねぇ。あんたのその顔からして、お兄さんもイケメンなのかい?」
アリウムは真剣な顔で茶封筒をもらってからトールを見上げて苦笑した。
「兄はあたしに似ていませんから。どちらかというと父親似であまりカッコイイとは言えません」
トールは少し残念そうに肩を竦めて、厨房へ入っていった。
おそらく夕食の準備だろう。
アリウムは夕食担当ではないので自室に戻ってすぐに茶封筒を開けた。
茶封筒の送り主はアリウムの兄などではなかった。
「ジャルーヌ様、何かあったのかしら」
茶封筒の送り主はジャルーヌだった。
アリウムはジャルーヌからの手紙に素早く目を通すと、すぐにその手紙を燃やし、捨てて部屋から出た。
そして厨房に顔をだし、
「すみませんトールさん!あたし、ちょっと出かけてきます!スイレン様の夕食までには戻りますが、もし帰れなかったらトールさんがスイレン様に夕食をもってあげていってください!お願いします」
「え!?あっ……ちょっとアリウム!?」
アリウムはトールの返事を聞くことなく城から出た。
アリウムが目指した場所は……ダンドール大陸国王ジャルーヌのもとだった。
側近たちが使う石部屋に戻ると、最年長のトールがいた。
アリウムはトールに軽く礼をして、自室に戻ろうとしたが、トールの持っている茶封筒を見て動きを止めた。
トールもそれを目敏く見抜き、アリウムに茶封筒を渡した。
「あんたのお兄さんから。毎度手紙を出してくれるなんていいお兄さんだねぇ。あんたのその顔からして、お兄さんもイケメンなのかい?」
アリウムは真剣な顔で茶封筒をもらってからトールを見上げて苦笑した。
「兄はあたしに似ていませんから。どちらかというと父親似であまりカッコイイとは言えません」
トールは少し残念そうに肩を竦めて、厨房へ入っていった。
おそらく夕食の準備だろう。
アリウムは夕食担当ではないので自室に戻ってすぐに茶封筒を開けた。
茶封筒の送り主はアリウムの兄などではなかった。
「ジャルーヌ様、何かあったのかしら」
茶封筒の送り主はジャルーヌだった。
アリウムはジャルーヌからの手紙に素早く目を通すと、すぐにその手紙を燃やし、捨てて部屋から出た。
そして厨房に顔をだし、
「すみませんトールさん!あたし、ちょっと出かけてきます!スイレン様の夕食までには戻りますが、もし帰れなかったらトールさんがスイレン様に夕食をもってあげていってください!お願いします」
「え!?あっ……ちょっとアリウム!?」
アリウムはトールの返事を聞くことなく城から出た。
アリウムが目指した場所は……ダンドール大陸国王ジャルーヌのもとだった。