「…俺は優しくなんかない。
ただ、亜紀さんに好きになって欲しくて…優しい振りをしてただけです。
それに、例え傷付いたとしても…
それでも俺は亜紀さんが好きなんです。
今はそんな風に見れないなら、何ヶ月だって、何年だって待つ。
それで俺の事ちゃんと考えてくれる時になったら、その時でいいから返事を聞かせて下さい」
亜紀さんは、まだ少し赤い目をして、ゆっくりと口を開いた。
「あたしは…まだ恋をしようとは思わない。
光貴くんの事だって…いつ考えるかも分からない。
…あたしはあざとい。
光貴くんが想い続けてくれるほど、いい人なんかじゃない。
光貴くんの幸せよりも、自分を優先してしまうかもしれない。
ねえ…
それでもあなたは、待っててくれるの…?」

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