「俺…――亜紀さんが好きです。
ずっとずっと、好きだったんです」
「…そう、だったんだ…」
「俺はまだまだ子供だし、亜紀さんを守ってやれるほど強くもない。
でも辛い時に、悲しい時に、ただ側にいてやりたい。
亜紀さんが少しでも笑えるように、ただ側にいるだけでいい。
俺じゃダメですか…?」
俺は亜紀さんの目を見つめた。
亜紀さんは黙って顔を上げると、俺を見つめた。
少しの沈黙の後、亜紀さんは言った。
「…ダメだよ。
あたしみたいなのと一緒にいると、光貴くん絶対傷付くよ。
光貴くんみたいな、優しくていい人には…あたしよりも、もっとずっといい人がいるよ」
亜紀さんはそう言って、俺から視線を逸らした。

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