そんな私に小さく笑ったあと、彼は私の肩口へと顔を埋めた。

ふわりと黒い髪が頬を擽る。




「つーかその言葉、そっくりそのままお前に返すよ」




くぐもった声で発せられた言葉に私は動くことが出来ない。




「お前みたいに若くて可愛い女が、俺みたいなおっさんを選んでくれるとは思わなかった」




だから強行手段にも出たんだ。


そう言った彼の声は今まで聞いたことのないくらい不安そうで。

ぎゅっと彼のワイシャツの胸元を無意識に握り締める。




「振り向いてもらえねぇなら犯してやろうかと思ったこともある」