「っ……!!」



ポタポタと堪えていた涙が床に落ちた。




この18年間…ずっと君といたのに…



私にとって君は大切な幼馴染みだったのに…




(違う。)




(大切な幼馴染みなんかじゃない。)




「っ……」




初めから蒼斗は私にとって大切な男の子だった……




だから昔は幼馴染みというポジションでも側にいられるなら嬉しかった……



でも…




『好きです。』




そう素直に思えなくなったのは中学生になった時。



蒼斗が女の子から告白されていた場面を見てしまったんだ。



それだけならよかった。



蒼斗がモテるっていうのは知っていたけど、それまでの私は幼馴染みというポジションに安心して何も思っていなかったから…。




それは女の子が告白した後に言った蒼斗の一言。




『俺、好きな奴いるから。』





その言葉を聞いて初めて感じた……




蒼斗を失うという恐怖を…




そんなことを思い出しながら今の私は涙を拭いもせずただ蒼斗を見つめた。