「っ…どういう意味…?」


「…言葉通り。雫に言う必要ねぇと思ったから。」


「…何それ…っ…」




私は悠々とベットに腰をかける蒼斗から視線を外した。




(今、蒼斗を見たら泣いてしまう)




ねぇ…どうして?




いつもはどんなくだらないことでも教えてくれたのに……




なんでこんな肝心なことを教えてくれなかったの…?




「…っ…言う…必要が…ないって…」


「どうして“幼馴染み”の雫に言わなきゃなんねぇの?」


「っ……」




意地悪だけど本当は優しい蒼斗から、そんな言葉を聞くのは生まれて初めてだった…




蒼斗…




その言葉は残酷過ぎませんか?




「…わたっ…私にとって…蒼斗は大切な幼馴染みなのに…」




この時蒼斗が苦しそうな表情を浮かべているなんて、私は知るよしもなく言葉を続けた。




「蒼斗は違ったの…?」




少しの沈黙の後、蒼斗は一言だけ私に返した。




「違ぇよ。」




それはどんな刃物よりも鋭い言葉。