将吾はどんどん人気(ヒトケ)のない方へ進んでいく。
「なぁ、こんなとこに街を一望出来る場所あんのか?」
「いいから。ちゃんとついてきて。」
将吾は楽しそうに前を歩く。
やっぱ手繋げば良かったかな、なんて思いながら俺は将吾の背を追う。
ちょっと足が疲れてきた頃、ようやく将吾が足を止めた。
「この上」
「上って……」
将吾が指したのは、数十段の長い階段。
「これ、上まで行くの?」
「ああ。サッカー部なんだろう?これぐらい平気、だよね?」
ちょっと挑発的な笑みに、
「当たり前だ!」
と勢いに任せて答えてしまった。
「その意気だ。さぁ、行くよ。」
クスクス笑って将吾は階段に踏み出した。
その後ろでため息をついたことを、将吾は知らない。


