「冗談だよ。ここでは襲わない、ここではね。」
心なしか、語尾が強調されていた気がする。
「ああ、そうだ。どうせならあそこに行こう。」
「あそこって?」
「この街がね、一望出来る場所があるんだ。」
「へぇ!行きたい!!」
あっちだよ、と歩き出した将吾は俺に手を差し出した。
「?」
「デートなんだし、手ぐらい繋がないか?」
周りは、人、人、人だらけ。
「い、いいよ!恥ずかしいし!!」
「別に誰も見ていないんだから、気にすることない。」
「いいったら、いい!ほら行こうぜ!!」
残念、と将吾は手を引っ込めた。
ちょっと言い過ぎたかなって隣を見ると、ちょうど将吾も俺を見ていて。
優しい微笑みを向けられたから、とりあえず怒ってはいないみたいだった。


