「へへへ」
「…葵、顔だらしない。」


朝、教室にて恭介が呆れたように言う。

でも今は何を言われても平気。

だって、だって……

榊…じゃなかった。

将吾と恋人同士になっちゃったもんな。


今日の朝も図書室で二人きり……。



「へへへ」
「だからキモいって」



将吾の記憶障害とか、
男同士ってハンデとか、

問題は色々あるけど…

将吾と一緒なら平気だよ。


俺、今めっちゃ幸せ!



「こりゃダメだな。」


恭介が呆れて自分の席に戻っていく。


でもそんなの関係ないんだ!!
今は将吾のことで頭いっぱいだし。

早く昼休みこないかなー…。


授業中、俺はたぶん終始ニヤケていたと思う。