起こしちゃった――!
「お…はよ」
躊躇いがちに声をかけると、榊は怪訝な顔で俺を見た。
「……キミは?」
そっか…
榊は寝ると忘れちゃうのか。
「俺は榊の友達。メモ見てくれれば分かるよ。」
本の横に置かれていたメモに視線を向ける。
掴んでいた俺の手を離して、榊はメモに手を伸ばした。
数ページめくって、
数秒目を通し、
「神崎葵?」
と疑問系で俺の名前を呼んだ。
「うん。ちなみに今日話すの二回目ね。」
「今日……朝、図書室で?」
俺は笑って頷く。
「あれが神崎か。話したってことは覚えてるんだ。でも…誰と話していたのか思い出せなくて……悪かった。」
「気にすることないって。悪気あったわけじゃないんだし。仕方ないじゃん。」
努めて明るく振る舞った。
それでも笑った榊の顔は少し寂しそうだった。
「で、俺に用?」
「そうそう、昼飯一緒に食べようと思って。ほら」
図書室にくる前に寄った購買で、榊の分のパンも買っておいたんだ。
しかも一番人気のメロンパン!
サクサクのフワフワでめっちゃ美味いんだよな。
売り切れだって珍しくないレア商品!
「このメロンパン食ったことある?」
「いや…旨いのか?」
このメロンパンを食ったことないなんて…
人生損してる!!
「超美味いから!!食ってみなよ!」


