「本当だよ。」
そう言ってニヤリと笑った榊が、スッと手を伸ばした。
瞬間、俺の体がふわりと浮いた。
「――え!?」
「ほらね。」
俺の体は榊の腕の中、横抱きの態勢で収まっていた。
こ、これは………
「ちゃんと持てた。」
いわゆるお姫様だっこ……
すっげ恥ずかしい!
てか顔近いし!!!!
「ね?」
「分かった!分かったから降ろして!!男が横抱きされるとかマジ恥ずかしいから!」
「そんなに慌てなくても」
クスクスと榊は笑った。
うっ……
アップでこの笑顔は反則だ!
また胸がドキドキする。
「早く降ろせー!」
「はいはい」
バタバタと足をバタつかせた俺は、ようやく床に降ろされた。
「いきなりやるなよな。ビックリしただろ!」
「神崎が疑いの眼差しで見るからだよ。ね、意外に力あるだろ?」
確かに……
この細い体のどこにそんな力があるんだか…。
「神崎、顔赤いよ?」
「え!?き、気のせいだよ!!」
「いや、でも――」
榊の言葉とチャイムの音が重なる。
「じゃあ、またな!」
俺は逃げるように図書室を出た。


