その頃… 「新撰組に何かご期待でもあるのですか?」 「何が言いたい」 遼は屋敷に帰ってきた。 「近頃。あやつらに、深く入れ込んでいるように思えたので。」 そう静まりかえった廊下に真人の声響く。 もうすぐ、日が出てくる時間であった。 「そんな訳がなかろう。」 「そうですか。」 あまり納得したようには見えなかったが、 真人は背を向けて、歩いてしまった。 「なんだよ…」 そう呟いた声は、誰にも届かなかった。