合宿から戻った翌々日、アンジェから家を出たというメールが入った。



今、坂下先生のところにいるという。



私は、アンジェのもとへ行くことにした。


家にいたくない理由は分からないけど、ずっと坂下先生の家にいるわけにもいかないだろうし…。





インターホンを押すと、坂下先生が出迎えてくれた。


「アンジェがここにいると聞いて、参りました。」


そう言うと、坂下先生が中に入れてくれた。



リビングには、アンジェだけでなく蒼先生もいた。


アンジェのこと、心配で来たのかな?


だけど、何故眠っているのだろう?


疑問に思いつつ蒼先生を見ると、坂下先生が疑問を解決してくれた。



「少し、呑ませ過ぎたようです…。」


テーブルには、お酒のビンが置いてあった。




私はアンジェのもとへ向かう。


「アンジェ、ここにいるわけにもいかないでしょう?

理由は聞きませんから、うちへいらっしゃい。」


ホントは、私と違ってちゃんと家族がいるのに家にいたくないなんていう理由が聞きたい。


だけど、アンジェの顔見たら、問い詰めちゃいけないような気がした。



アンジェは私の両手を握ると、言った。


「ありがと、リコ。

そう言ってくれると助かる…。」