アンジェに言われて、渋々本棚の前に行く。


見ると数学の本ばかりで、頭痛がしそうだ。


「リコ、本の後ろに何か隠されてないか探すんだよ。」


アンジェの楽しそうな声が聞こえた。



「アンジェ、余合に余計なこと教えるな！」


蒼先生の、慌てたような声が聞こえた。




アンジェはそれを聞くと、本棚の上段を漁り始めた。


私は下段から、アンジェの真似をする。



厚いカバーがかかった本を取り出そうとしたら、蒼先生が小声で


「これだけは、勘弁して。」


って、私の手を上から握った。



手を握られてドキドキした私は、本から手を離した。


「見逃しちゃダメよ。」


アンジェはそう言いながら、その本を取り出した。



「ちょ…、アンジェ！それは困る。」


蒼先生の制止も聞かずに中身を確認すると、アンジェは笑みを浮かべ


「発見～！」


なんて言いながら、男子に中身を渡した。



見ると、女の人の水着や下着姿の写真ばかりが載っている雑誌だった。


さすがのアンジェも、引きつった表情をしていた。


「先生、隠し方ベタ過ぎ…。」


男子が、からかった。





何だか、心が…ザワザワする。


そんな時、呼び鈴が鳴った。