「でも…玄関のとこでキス、してたって…。」


「うっわ…、そこまで聞いてるのかよ…。」


蒼先生が、頭をかかえた。





「ホントのことなの!?」


「ゴメン…。」


「酷いよ、先生…。」


私は泣きながら、蒼先生の腕や肩をグーでポカポカ叩く。




私が叩いたところで猫パンチ程度なのだから、蒼先生にしてみたら痛くも痒くもないようだ。



「言い訳くらい、してよぉ…。」


私は叩く手を止め、言った。




「言い訳、して良いの?」


蒼先生の問いに、私は頷く。




「雨宿りさせるために、元カノを部屋に入れた。

ヨリ戻さないかって言われたけど、彼女いるからってちゃんと断った。

キスは、不意打ちで…された。

梨香のこと考えたら、部屋に入れるべきじゃなかったよな…。」



「風邪ひいたら可哀想だもん、雨宿りはいいの。

でも、先生の意思じゃなくても…キスなんて酷いよぉ。」