中間考査の後、蒼先生の部屋に彼女らしき人が来ていたという噂を耳にした。


彼女!?


何それっ!


私は蒼先生のお部屋になんて、行ったこと無い。


まさか、他にも付き合ってる人がいるの?






蒼先生を問い詰めようと思い、数学科教材室へ行ったら先客がいた。



1年の時、同じクラスだった子だ。


蒼先生が好きで、クラス替えの際に出た噂を信用して理系クラスに行った子…。


剣道部のマネージャーやってる私は、目の敵にされている。




私も彼女が苦手なので、入口付近で佇んでいた。


どうやら、彼女も今回の噂のことで問い詰めているらしい。


「関係のないことだろう?」


蒼先生は、彼女の詰問を突っぱねた。


私にも、同じこと言うのかな?





蒼先生が、部屋の前に私がいることに気がついた。


「余合、待ってた。」


待ってた?


何も約束してここに来たわけじゃない。




蒼先生は、先客の生徒に


「勉強の邪魔になるから、帰りなさい。」


なんて言いながら、プリントを取り出した。