コーヒーを一口飲んだ彼女は、僕に言った。



「私さぁ、さっきオトコと別れちゃったんだよね…。

柾樹は、ヨリ戻す気…無い?」



…ブルータス、お前もか!



僕は、心の中で叫んだ。




雨の中、うろつく生徒と変わらねぇな。



「彼女、いるから。」


「部屋見る限り、彼女の出入り無さそうだけど?」


そりゃあ…まだ梨香を部屋に上げたこと無いんだから、彼女専用の物なんて置いてない。



うろついてる奴らがいるうちは、部屋に上げるなんて…できそうもない。





「それ、飲んだら帰れよ。」



雨はまだ止まないが、この女もあまり長居させない方が良さそうだ。