女を家に上げ、タオルを渡す。


彼女は髪を拭きながら、窓の外を眺めた。



「柾樹、女子高生がこっち見てるんだけど?」


コーヒーを入れながら、僕は答える。


「気にするな、ウチの生徒だ。」




アパートの周りをうろつく生徒の中には


「部屋に入れて欲しい」


とまで言う、つわものもいる。



警察呼ぶわけにもいかないから、無視するしかない。




「相変わらず、モテるのね…。

でも、いくら雨の中かわいそうだからって、ああやってうろつく女を部屋に入れちゃダメよ。

制服のスカーフ解いて迫ってくるからねー。」



「解ってる…。」



女に、コーヒーカップを差し出す。