「どうなさったの?」


梨香が、僕を心配そうに見つめる。


梨香には、アンジェのことは伏せておいた方が良さそうだ。





「いや…。

それよりも、5月になったらまたデートしようか。」


「本当?すごく嬉しい!」


嬉しそうに微笑む梨香は、ホントに可愛い。



「5月は、僕の誕生日があるんだよね。」


だから、一緒に祝って欲しいって思う。




「プレゼントは、何が良いですか?」


「梨香とデートできるなら、何も要らない。

ところで、梨香の誕生日はいつ?」


「3月です。」


「ちょ…待て、付き合い始めた後だろ?

何故、何も言わない?」


「プレゼントはちゃんといただきました。

先生のアドレスと、好きって言葉。」



そう言う梨香の顔が、真っ赤になった。




ヤバい、可愛い過ぎる…。


「可愛いこと言うから、抱きしめたいくらいだけど…ここ、学校だもんな。」


我慢…しないとな。




僕は、梨香の手をぎゅっと握りしめた。