しばらくそうして歩いていたら、指を絡めてきた。


恋人繋ぎされたことで、私の顔はさらに火照ってくる。


蒼先生は、私みたいにドキドキ…しないのかな?



思ったことを、ぶつけてみた。


「ドキドキ?

…してるよ。

ここに耳、あててごらん。」


そう言って、蒼先生は自分の胸を指さした。



私は言われたとおりにする。


あ、ホントだ。


すっごくドキドキしてる。



そのドキドキがなんだか嬉しくて、しばらく耳をあてていたら


「梨香、いつまでそうしている気だ?」


なんて、言われてしまった。




離れようとしたら、背中に腕が回された。



「抱きしめるの、我慢しようと思ったんだけどな…。

梨香、可愛いすぎ。

もう無理…。」


香水のいい香りがする蒼先生の腕の中で、甘い言葉を囁かれ、すっかりのぼせ上がっていた私は、人に見られているなんて思いもよらなかった。