「ま、それはともかく…、明日からちゃんと授業に出ろよ、アンジェ。」



蒼先生は、私のサンドウィッチを


「貰いっ!」


1つ手に取り、食べた。



「美味いよ、余合。」


蒼先生はそう言って微笑むと、去っていった。




私の作ったサンドウィッチを、蒼先生が褒めてくれた…。


すごく嬉しかった。




「漁りも釣りもしないって言ってる割には、フェロモンっていう名の撒き餌は欠かさないじゃん。

学校の女どもの3分の1の顔には、蒼とシタイって書いてあるっつーの。」


アンジェはそう言って、オレンジジュースを飲み干した。



「したいって、何のことですの?」


私が聞くと、アンジェはため息をつき、言った。


「リコは知らなくても、いいことだよ。」




アンジェは時々、私に


「アークエンジェルの異名に相応しく、汚れの無い、白いままでいて欲しい」


と言う。




まるで、叶わなかった夢を託すかのように…。