「白い封筒、持ってるんでしょ?」


ツバメが続けて言う。


「私だけじゃない、スズメだって見たんだから!」


僕がスズメの方を見ると、彼女は微かに頷いた。


この前の物音は、この双子だったのか…。





「脩一。」


松戸が顎をしゃくって、いささか派手な雰囲気の男子生徒に合図を送る。


僕は、いきなり壁に押し付けられた。


自警団には切り込み隊長と呼ばれる男子がいると聞いていたが、おそらく彼のことだろう。


「痛い目、見たいのかよ?」


脩一に身体の自由を奪われてる間に、ツバメが封筒を取り出して松戸に手渡した。




松戸は僕に断りもなく、勝手に封筒を開ける。


人の私物をこんな風に扱うとは…、僕は唖然とした。



松戸は中身を取り出すと、驚きの声をあげた。


「何だこれ!?」


「「髪の毛…?」」


桜小路の双子がハモる。


普段だったら笑えるとこだが、ワケも分からないうちに吊るしあげを喰らってる僕にそんな余裕はなかった。




松戸が、僕を怒鳴った。


「念書は、何処へやった!?」


…念書?