僕は職員室を出ると、口の中に広がる甘い香りを感じながら、人気のない校舎の陰へ向かう。


独りになりたい時は、ここに来ている。




こんな日に、チョコを食べるんじゃなかった…。


一番欲しいチョコは、もう手に入れることができない。



僕は常にスーツの内ポケットに入れている、白い封筒を取り出した。


この中には…。




ガタン!!



物音がした。




急いで封筒をしまい、音の方へ向かった。



どうやら、立ち去った後だった。