「あのね…生理、来ないの。」



アンジェが目を見開いた。



「この前、避妊失敗して…それで…」


「できたの?」


「まだ、調べてない。」


「蒼は、知ってるの?」


「遅れてるみたい…とは、言ったの。」


「あいつ、逃げたのか!?」


「そんなはず、ないよ…。

だって、指輪くれたんだよ?」



涙が出そうになり、私は俯いた。



「とりあえず、リコん家に行こう。」


アンジェに促されるまま、帰路についた。






家では、じいやとばあや…それに、父の代から会社で働いている取締役の1人が顔面蒼白で待っていた。



父の創った会社が吸収合併され、社長に収まっていた叔父が主な財産を持って逃げたのだという。



今住んでいるこの家も、処分しなければならない。





それを聞かされた私の意識は…途切れた。