坂下先生が入院した翌日、アンジェと2人で病院へ行った。



私たちが来た時、40歳くらいの女の人が病室にいた。



病室の前で入っても良いものか思案していたら、坂下先生が声をかけてくださった。



先にいた女性は


「また来る」


と言って、出て行った。





「今のかた…奥様?」


気になったので聞いてみると、妹さんだった。




アンジェが花を活けるために病室から出たとき


「賭けをしませんか?」


と、坂下先生から持ちかけられた。



暇を持て余しているようだったので、軽い気持ちでOKした。


だけど、賭けが成立しないことを願いたかった。


坂下先生も、望んでいるとは思えなかったし…。





アンジェが戻ってきたので、帰ることにした。


坂下先生が、あんな賭けを持ちかけた意味を考えたかった…というのも、ある。