私たちが担当しているブースに、坂下・蒼の両先生が現れた。


しかも、2人してドラキュラの扮装をしている。



「体育祭でチーム組んだ1・2年が、遊びに来て欲しいって言ってる。」


「ここは私と蒼先生で引き受けますから、ランチタイムがてらに遊びに行ってみてはいかがですか?」



私たちは、お言葉に甘えることにした。






少し遊んだ後、戻る。



ただ戻るだけじゃ面白くないので、先生方を驚かせようと、客としてお化け屋敷に入る。


まず私が入り、後ろからアンジェがついてきた。



…あれ?



いるはずの先生方が…いない。




そう思っていたら、ハンカチで後ろから口を塞がれた。


この香り…、蒼先生の香水だ…。



背後からマントに包まれ、私は身体の向きを変え、思いっきり抱きついた。


「先生…。」


「余合さん残念ですが…、私は蒼先生ではありません。」



雷鳴とともに響いたのは、坂下先生の声だった。