大好きな蒼先生と、2人きり


今にも降ってきそうな、たくさんの星




そんなシチュエーションに、酔いしれていたら…



「あっ!」


蒼先生が、腕時計を見て


「やっべぇ…」


なんて言っている。


「何か?」


「消灯時間、過ぎてる…。」


そんなに時間経ってたの?


蒼先生が一緒とはいえ、マズイよね…。



「バレないようにこっそり戻るから、懐中電灯点けずに行くけど…大丈夫か?」


「ちょっと、怖い…かな。」


「じゃあ、掴まって。」


私は、差し出された腕に両手を添えた。


ドキドキ…する。


顔、火照っているの…気づかれないと良いな。


来た道を戻るだけなのに、明かりが無いと、まるで別の道のよう…。





ウチのクラスが泊まっている、コテージの前まで来た。


「ラスボス、寝てるといいけどな…。」


「それって…坂下先生のこと?」


「そう。」


音が出ないようにゆっくりドアを開ける。





玄関前で腕組みして、仁王立ちで待っていると思われた坂下先生は…


そこに、いなかった。