「蒼んちで雰囲気良くなったら、ベッドに横になって…」


よ…横にっ!?


アンジェは私の驚きをよそに、その場で横になった。



膝を曲げ左足を立てると、スカートが少しめくれて太ももが露わになった。


羨ましいくらいに、長くて細くて白い脚だった。



アンジェは制服のスカーフを外すと、それを持ったまま右手を差し出す。



右手の先にまるで誰かがいるかのように、妖艶な笑みを浮かべる。



私が逆立ちしたところで、こんな色気は出ない…。


スカーフを手放すと、階段の下へと落ちていく。



私はスカーフの行方は追わずに、アンジェを見続けた。


「ねぇ…来て。」




ばさっ!!



書類を落としたような音がした。



アンジェと2人で音の方に視線を移すと、坂下先生がいた。




今の話…聞かれた?


「校門で待ってる。」


アンジェにそう言うと、走り去った。



恥ずかしくてあの場から逃げ出したけど、アンジェを置いていったのはマズかったかもしれない…。


あとで、校門でアンジェに会ったときに、そう思った。