帰りの新幹線、デッキでアンジェと話をした。



昨日は話もできない程だったけど、少しは回復したらしい。



「あのさ、蒼。」


「何?」


「昨日の痴漢騒ぎで、言いそびれたんだけどさ…。」


「うん?」


「自分の彼女差し置いて、他の女にアクセサリーあげるのどうかと思うよ?

リコ、泣いてた。」




マジかよ?


アクセサリーに興味持ってるようには、思えなかったんだけど?



「どう考えても、ぬいぐるみ見て

『可愛いー。』

なんて言ってたのに…。」


「じゃあ、ぬいぐるみをあげたの?

持ってなさそうだったけど。」


「デカかったから、梨香には内緒で宅配にした。

もう届いているころだと思うけど、要らないなんて言われるかな…。」



僕は頭を抱えた。



高校生、だもんな。


ぬいぐるみなんて、あげるような歳じゃないよな…。



「あの子まだネンネだし、部屋はぬいぐるみで溢れかえっているから大丈夫よ。

蒼がプレゼントしてくれたって知ったら、大喜びするわよ。」



だったら、いいけど。



あんまり、ネンネ過ぎても…。


僕としては、ちょっとな…。