蒼先生が、コンビニの袋を提げて戻ってきた。



「明日のテーマパークですが、余合さんは参加させないことにしました。」


坂下先生がそう言うと、蒼先生はちょっとびっくりした表情をした。



「遊ばせない…ってことですか?

坂下先生、厳しいっすねー。」


「平手打ちで2mも飛ばした蒼先生に比べたら、優しいと思いますが?」


どっちもどっちだと、私は思った。



そんなこと口にする資格、ないけど…。




「そこで余合さんの監視ですが、私か蒼先生のどちらかで行おうと思っています。」


「僕が引き受けます。

余合に怪我をさせてしまったことですし、僕も謹慎しないと…。」


蒼先生は私の口の端を、指で拭った。


叩かれたときに少し切れたみたいで、蒼先生の指に血が付いた。




「そうですか、ポーカー勝負でもして負けた方にしようかと思いましたが…。」


賭け事が好きな坂下先生は、つまらなそうに言う。



「それなら、僕に決定じゃないですか…。

不敗神話を持つ人間に、勝てやしません。」




蒼先生が私の方を向き、優しい口調で話しかけた。



「夕飯、食ってないだろ?

一緒に、食べようか?」