蒼先生に怒鳴られ、座り込んだまま周りを見渡す。



他のクラスの先生方も私を探していたのだろう、ロビーに集まっていた。



こんなに、大事になるとは思っていなかった。




蒼先生は回れ右をして、坂下先生と二言三言喋ると、ホテルを出て行った。



私は、先生方に謝る。


蒼先生に派手に叩かれたせいか、あまりお叱りの言葉を受けなかった。






他の先生方や野次馬の生徒らが引揚げた後、坂下先生に促されてロビーのソファに座る。



「蒼先生の頬の傷、原因をご存じでしょうか?」


坂下先生に聞かれ、ありのままを話した。


「そのことについて、お礼とお詫びは済ませてありますよね?」


坂下先生の言葉で、私はまだ何も言っていないことに気がついた。




私の表情から、坂下先生はそれを読み取ったようだ。


「余合さん、明日のテーマパーク内での自由行動ですが、認めるわけにいきませんので謹慎してください。」


随分と、厳しい処分を言い渡された。




アンジェと遊ぶ約束、してるのにな…。



普段は笑みを絶やさない坂下先生が厳しい表情でそう言うので、私は頷くしかなかった。