タクシーを降り、梨香を連れてホテルに入る。



梨香は、ロビーにいたアンジェのもとに駆け寄った。




「ご迷惑おかけしました。」


僕と坂下先生は、他の先生方のところに向かい頭を下げた。



「余合。」


アンジェのもとにいる梨香に、声をかける。


しかし、彼女は気づかないのか話に花を咲かせている。


近づくと、喋っている内容が聞こえた。



「…でね、先生凄くカッコ良かったんだよ。」


さっき助けた時の話か?


そんなの、あとで部屋に帰ってからにしろよ…。



みんなに心配かけておいて、言うべきことがあるんじゃないのか?


僕が、梨香に対して本気でムカついたのは、これが初めてだった。





梨香の肩に、手をかける。


「余合、歯を食いしばれ。」


僕の言葉に、きょとんとする梨香。



委細構わず、梨香の頬を平手打ちした。


2mくらい飛んで倒れたので、少しやりすぎたか?と思った。



「まず、みんなに謝るべきだろ?

何考えているんだ!」