文化祭1日目早々、中学の同級生たちが来てくれた。



聖女の制服というのもあって、周りの注目を集めていた。




「昨年は梨香さんが来てくださったから、今回は私たちが出向くことにいたしましたの。

蒼先生が案内してくださるというので、少しここで待たせていただきますわ。」



蒼先生、いつ彼女たちと連絡取ったんだろう?



まさか、彼女たちの中に付き合い始めた人がいる…とか?





「それにしても、本当に親切な方ですわ。」


彼女たちの話し声に、ふと我にかえった。



「勝手が分からなくて、校内に入るのをためらっていたら、蒼先生が声をかけてくださって…。」


「昨年の文化祭で少しお話しただけなのに、覚えてくださったなんて光栄ですわ。」



あ、そうだったんだ…。



私、蒼先生のこと疑うなんて…どうかしてる。






「リコ、油売ってないで注文取って。」


アンジェが私の隣に来て、言った。



聖女の同級生たちは、アンジェの姿を見ると


「マリア様ですわ。」


一斉に、十字を切った。



「アンジェには、白いローブを着せるべきだったかしら?」


「勘弁してよ…。」



「相変わらず、聖女の乙女たちに崇められているようだね…。」


入口に、蒼先生が現れた。