数日後


「リコは間違いなくメイド服だよ。」


模擬店を決めた日以来、髪を逆立てるのをやめたアンジェがそう言った。



彼女の髪の変化は、イメージチェンジらしい。


もっと髪が伸びたら、聖女のマリア像そのものだ。


その時は『ダークエンジェル』じゃなくて、『マリア様』って呼ばれるのかな?



そんなコト考えてたら、アンジェが続けて言った。


「お嬢様の一日メイドさんって売り文句で宣伝するって、男子が言ってた。」


「じゃあ、家から制服を借りなければ…。」


「リコん家のスカート、ロングだからダメ出し喰らうよ。

ミニスカ穿かせたいんだって。」


「えぇーっ、無理だよ。

制服のスカート丈だって、短いのに…。」


「膝が半分見える程度で、短いなんて言わないでよ…。

それに…。」



アンジェが、私に耳打ちする。



「ミニスカ穿くなんて知ったら、蒼からコンタクトあるかもよ?

あのエロ教師が、我慢できるわけないしねぇ…。」



そうかなぁ?



あの日以来、蒼先生とはお喋りもメールも…交わしてない。